1/10 始業式・プチ史跡巡り(17)金刀比羅宮(虎ノ門)
今日は三学期の始業式でした。
感染予防の観点から始業式は放送で行いましたが、好天気だったのでスタジオに使った多目的A教室からは、遥か東京スカイツリーまでが見渡せました。(下の写真の円内。手前は圓乗院の多宝塔)
始業式では、今年の箱根駅伝の駒澤大学優勝の話題から、駒澤大・大八木監督の優勝のために工夫や努力を怠らない「昭和の精神」を見習いたいという話をしました。R4第3学期始業式.pdf
今回のお題の二つ目「プチ史跡巡り(17)」は、シリーズ初の県外取材、東京は港区虎ノ門にある金刀比羅宮です。
この神社自体は、江戸時代に讃岐丸亀の藩主だった京極高和が1660年に四国の金刀比羅宮から勧請し、藩邸内に祀ったという由来がはっきりして特に不思議はありません。祭神は大物主と崇徳天皇ですが、大物主の別神格少彦名命が、船に乗って来訪した神ということもあって、海事関係者の尊崇を集める神社です。そのせいでしょうか、現在でも道路反対側には、商船三井ビルが建っています。
さて、今回、書きたかったのはこの金刀比羅宮に見られる日本的な精神についてです。
上の写真でも分かるように、この神社は都心のビジネスビルに囲まれるようにして建っています。というか境内に虎ノ門琴平タワーというビルが建っていて、写真左側に見える社務所はこのビルの1階、写真から見切れたところにある神楽殿に至っては地下駐車場の入り口をまたいで建っています。
この都心の超一等地に残された神社に、私はすごく頼もしいものを感じました。
現在、日本はバブル崩壊以降の経済的な立ち遅れが隠しようもなくなり、すっかり貧しい国になってしまいました。現代においてグローバル化は避けようがありませんが、21世紀になってからの日本は欧米に追従しようとするあまりに、肝心の日本の強みというべきものを捨ててしまったように思います。
うまく言えませんが、この金刀比羅宮に見られるように、現代的なものをこだわりなく取り入れつつ、日本の伝統を残す。この二つを融合させるという所に、本来の日本の強さや良さがあったのではないでしょうか。
この神社は先述の通り、かつては京極家の藩邸内だった場所ですが、江戸時代から毎月十日には庶民の参拝を許していました。封建制の身分社会の建前の中でも、きちんと庶民の要望に応えるおおらかさに、かつての武士たちの姿勢の正しさを感じます。
そんなわけで新年早々、日本の衰退からの復活を祈願してきました。