2021年12月の記事一覧
12/28 今日は「御用納め」
今日は「御用納め」です。明日から1月3日まで公立学校も含む官公庁は原則閉庁となります。
私が子供のころの昭和40年代には、民間企業や商店などもそれに合わせるようにお休みでした。デパートなども元日は休みで2日に初売りで福袋を売り、3日はまた休みだったと思います。警察や消防、報道関係など休むわけにはいかない人たちを除けば、ほとんどの人は正月はゆっくり休んでいました。食料品店も飲食店も閉まっていたので、家でおせち料理や御餅(飽きたらカレー)を食べていたわけです。
その前後の12月28日や1月4日も旧年の後片付けや新年の準備で、本格的な仕事の日と言う感じではなかったと思います。平成の初めころまでは御用納めの日には、午前中に仕事の整理や机の片付けをして、お昼にお寿司などを取って午後は納め会をする、という光景が見られました。また1月4日の仕事始めには、銀行などで女性社員が着物姿で出社する習慣も残っていました。
それが昭和50年代頃から年中無休のコンビニエンスストアが増えてくると、デパートやスーパーマーケットも元日から営業するようになりました。また勤務時間内に納め会などとんでもないということになり、お昼に寿司を取るような職場もなくなっていきました。今は正月と言ってもほとんど私たちの日常は変化がありません。
便利で合理的になったと言えばその通りですが、正月にも働かなくてはならない人が増えたため、ゆっくり家族・親戚や友人と顔を合わせることも難しくなりました。私が思うに、不合理かつ非能率にみんなが正月にのんびりしていた時代の方が日本は元気でした。コンビニやインターネットの普及など世の中が便利に効率的になるにつれ、逆に元気がなくなって経済もしょぼくれてきたような気がします。
来年は、少しは元気が出るような年になるといいですね。
12/24 2学期も終わり+「クリスマス考」
先ほど2学期の終業式も終わり、本校も明日から冬休みです。
終業式では、以前11月12日のこの欄でも書いた南アフリカの元大統領デクラークについて話をしました。
アパルトヘイト(南アフリカの人種差別制度)撤廃というと、日本ではネルソン・マンデラの功績になっています。現実に反対を押し切り改革を進めたデクラークの名前はほとんど語られることがありません。こういう人が実際には世の中を動かしているのだということを生徒諸君に知ってほしくて、今日はちょっと長めの話をしました。
さて、今日はクリスマスイブです。毎年この時期になると「日本人の大半はキリスト教徒ではないのにクリスマスを祝うのはおかしい」と、したり顔で言う人がいます。無節操ぶりが欧米人に対して恥ずかしいという拝外主義(欧米をありがたがる立場)から言われることもありますし、西洋の宗教行事をするなという排外主義(外国の文物を拒否する立場)から言われることもあります。(どちらもハイガイシュギですが…)
私に言わせれば、こういう主張こそ日本の伝統を知らない蒙昧なものです。日本は古来より八百万の神々が集う国です。これまでも海外から渡来した多くの神々を受け入れてきました。以前に紹介した大国社のオオクニヌシなども、大国(オオクニ=ダイコク)ということから大黒天(マハーカーラーというインドの破壊と創造の神)と一体化していますし、北海道の札幌藻岩神社では、日本にスキーを紹介したレルヒと札幌冬季オリンピックでお世話になったブランデージという外国人(しかも近現代の実在の人)が神として祀られていたりします。
ようするに人々が敬意や畏怖を抱かざるを得ないような現象や人物は、すべて神になるのが日本の伝統です。その点からいえば、多くの日本人が親しみや敬意を持っているイエスはもはや日本の神の一柱と言ってよく、その生誕を祝うクリスマスは神道の祭りであると言っても過言ではありません。(そう考えれば、教会で結婚式を挙げるのもオーケー、ということになりますね。)
というわけで、今日、明日は日本の祭りとしてのクリスマスを大いに祝いたいと思います。
年末・年始はめちゃくちゃに寒そうですので、みなさま健康に気を付けて新年をお迎えください。
12/22 冬の与野公園
今日は、地学の授業の巡検にくっついて学校の隣の与野公園に行ってきました。
このブログでも紹介してきましたが、与野公園は近代的都市公園としては日本でも有数に古い歴史をもつ公園で、冬もなかなかいい感じです。有名なバラ園には、冬でも咲くバラがちらほらとみられますし、そんなに大きな池ではありませんが、池には水鳥が渡ってきて羽を休めています。
公園内には天祖神社、弁天社、富士塚などの史跡も多く、生徒たちといっしょにまったりとした時間を過ごさせてもらいました。
12/15 ゆとりが大切
本校では今日が2学期の期末試験の最終日です。
期末試験が終われば、もう年の瀬です。なんとなく街もあわただしくなってきます。
先日、本校の生徒が駅で迷っていた御高齢の方を助けたとかで、感謝の電話をいただきました。人のことを思いやる心のゆとりをもった生徒がいたということは、大変すばらしく私まで誇らしい気持ちになりました。
「ゆとり」と言えば最近、街にゆとりのない人が増えたような気がします。
今年もコロナの影響で忘年会などがほぼ全滅しているので、あまり雑踏の中に出かける機会はありませんが、私は近年、年を取ったせいか人混みが苦手になりました。大宮や浦和くらいならいいのですが、新宿や渋谷などの人の多さにはついていけない感じです。
私が人混みが苦手な理由の一つとして、首都圏には他の人と進行方向が交差した時に、加速して人の前方を横切ろうとする人が多いから、ということがあります。相手に進路を譲ったら負けだとでも思っているのでしょうか。互いに相手の頭を押さえて自分が先に通ろうとすれば、衝突しそうになるのは当たり前で、これでは反応速度の遅い高齢者(私もそろそろ仲間入りです)などは街を歩くのがとても難しくなります。
以前、名古屋に行ったことがありますが、名古屋では進路が交差しそうな時には、速度を落とし相手の後方に回避しようとする人が多いので街を歩くのがとても楽でした。いい町だと思いました。
こうしたちょっとしたゆとりの気持ちがあれば、世の中はずっと暮らしよくなると思うのですが、
12/9 「ここは路地?」(プチ史跡巡り4)
今回は「プチ」というのもはばかられるほど小規模かつ史跡と言えるのかどうかさえあやふや、というなんだかよくわからない内容です。
本校から本町通りを渡った東側のとある一角、2軒の民家の間にちょっと隙間のあいている場所があります。覗き込んでみると、両側に塀があり北側と南側のどちらの御宅の地所でもなさそうな細いスペースが東西方向に続いています。一本西側の通りに回ってみると、そちら側にも隙間があって、この細いスペースは現在の街区の1ブロック分を貫通していることが分かります。
道のようなそうでないような…。ここは通ってもいい場所なのだろうか?と悩みますが、あまりにも狭くて両側の御宅との距離がないので、子どもならともかく大人は入り込むのがためらわれます。
さて、ここで推測なのですが、このスペースは昔の路地の跡なのではないでしょうか。
昔の与野の町は、本町通りに沿って両側に家が立ち並ぶ典型的な宿場町でした。家々の敷地は南北の間口は狭く東西の奥行きが深い形に統一されていました。各家が東西で道に面していたので、住人にとっては東西方向に道を通す必要があまりありません。(下の図のイメージ)現在もその地割が良く残っていて、今でも与野高校付近から駅の方へ抜ける道は数が少なくなっています。
とはいえ、それぞれの家の住人ではない人は、よその家の中を通り抜けるわけにはいかないので、ところどころに東西方向の抜け道は欲しいところです。上のスペースはおそらくそんな形で設けられた路地の跡なのではないかと思います(上の図の路地と書かれたところ)。
今の感覚で行くとすごく狭いのですが、昔は自動車もバイクもなく、人一人通り抜けられれば良かったので、この幅で十分だったはずです。こういうスペースは、与野以外にも中山道の宿場町だった浦和、上尾、桶川などでは、ところどころに残っています。大宮も中山道の宿場ですが、開発が進みすぎてあまり昔の面影がありません…。(下の写真は浦和にあるそれっぽいスペースです。)
なんとか資料で確かめたいところですが、これだけ狭い道だといつもの明治迅速図にも載っていません。昔の与野の宿場の絵図でもあれば確かめられるかもしれません。
12/6 年末雑感
早いものでもう12月です。
校庭のイチョウの木が黄色一色でとてもきれいです。華道部の皆さんが校長室に飾ってくれる生け花もクリスマス風です。
生徒の皆さんは、今週の金曜日から期末試験です。試験が終わればもうすぐクリスマスやお正月ですから、頑張りましょう。
それに私は思うのですが、期末試験って、それ自体がとても楽しくないですか? 私は高校生の頃、定期考査とか大学入試とかはとても楽しかった記憶があります。なぜなら学校のテストなどは正解はあるしルールははっきりしているし、こんなやさしいゲームはないからです。
世の中で経験する多くの問題は、何が正解なのかどういうルールで行われているのかもよくわからないことが多いものです。また、自分がどういう状況に置かれているかわからないことさえあります。たとえば会社員になったとして、契約件数や売上金額などの数値はわかっても、最も大切な「自分が周囲にどう思われているか」という評判はなかなかわかりません。恋愛やら友達付き合いやらは、どこがツボなのか地雷なのか、さらに不可解だと思います。
私も高校生の頃は特に社会経験などはなく、人生にそんなに悩んでいたわけでもありませんでしたが、学校のテストや大学入試などは、点数が取れるにしろ取れないにしろ、自分が努力しただけの成果がきちんと出るシンプルで公正なゲームである点が気に入っていました。
生徒の皆さんは、今度の期末試験も大いに楽しんでください。