2022年1月の記事一覧
1/17 世界は美しい
おとといの大学共通試験の1日目に、高校2年生の少年が受験生を含む3人を刺すという事件が起きました。報道によれば、少年は東大の医学部を目指していたが、成績が落ち込んで悩んでいたとのことです。
会ったこともない少年についてとやかく言うのは好ましくないですが、この少年は、東大医学部に入れなければ、自分の人生は終わりだから、他人を巻き込んで自滅してやろうとでも考えていたのでしょうか。
そうだとしたらとても残念です。先日も始業式で生徒の皆さんには話しましたが、人生をハードル競争にたとえれば、大学入試などはまだ1台目か2台目のハードルです。けつまずいても、ぶっ倒してもまだ先があります。
この少年も、医者になりたいのであれば(東大医学部の肩書が欲しいのならばダメですが)、東大以外にも医学部はありますし、東大出身ではない名医もたくさんいます。誰かがそういう風に教えれ上げればよかったのにと思います。
さて、先週の金曜日に新聞のテレビ欄を見ていたらアニメの「平家物語」というのが載っていました。「今時アニメで平家物語かあ」と思って見てみたら、これがなかなかよさそうです。わざと平面的なタッチにした独特の絵柄と繊細な心理描写で傑作になりそうな予感がします。
で、そのオープニング主題歌の「光るとき」(羊文学)と言う曲が、またいい曲です。さびの部分で繰り返される「何回でも言うよ、世界は美しいよ。君がそれをあきらめないからだよ」というフレーズが素晴らしいと思います。
私たちの毎日は楽しいことばかりではありません。むしろつらいことの方が多いかもしれません。しかし、あきらめずに生きていれば、たまにうれしかったり感動することにも出会えます。
たとえば1年くらい前、私が「朝から肩こりがひどいなぁー」とか思いながら家をでると、空に下の写真のような雲が浮かんでいました。
これを見たからといって、特別に幸せを感じたり、震えるほど感動したわけではありませんが、なにか不思議な光景だと思いませんか? こういうものを見るとちょっとだけ1日が楽しくなります。
我々が心を柔らかくして見過ごさないようにしていれば、世界は(ちょっとだけ)美しいものや(少しだけ)不思議なものを見せてくれるのだと思います。